イロドリ便り

当事務所の弁護士&スタッフが、日常の由無し事を綴ります

今日も涙の日が落ちる

 幼い頃、父親に連れられて、「男はつらいよ」を何回か見ました。ほとんど記憶になく、当時は何が面白いのか理解できませんでした。
 今から20年以上前、寅さんが好きな友人のすすめで、改めて映画を見て、好きになりました。葛飾柴又の寅さん記念館にも行きました。20年前は、定職にもつかず、東京にも原付で向かうくらい、お金はなく、ゆっくり、のんびり、フラフラ生きていて、寅さんのようになりたいなぁとも思っていたこともありました。
 昨年末、最新作「お帰り寅さん」を見ました。20年前を思うと、いろいろと頑張って積み重ねてきたことはあると思いますが、他方で当時、もっと大切にしていたものを失ってしまっているようにも感じました。

 つい先日、20年ぶりに寅さん記念館へ行きました。20年前は、柴又駅前には、寅さん像しかなかったのに、その寅さんを見送るさくら像まで建っていました。二つの像は、離れているのですが、視線が互いの姿をとらえているのです。記念館では、20年前よりも、強く、心を揺さぶられました。

 長期的な目線を持たず、短期的な目線だけでわかりやすい数字や目に見える成果ばかりを求めていると、得ているようで、知らぬ間に失ってしまっていることがあるように思います。
 私の仕事は短期的な結果を出すことが求められるものですので、目の前のことに焦点を絞って動くことは避けがたいのですが、少し遠いところも見据えて仕事に、仕事以外のことにも取り組むことができるように心がけたいと思います。

弁護士 牧 亮太

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