イロドリ便り

当事務所の弁護士&スタッフが、日常の由無し事を綴ります

目をそらさないように

 暑さが続く8月ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 

 先日閉幕したパリオリンピックでは、テレビの前で様々な選手に勇気をもらいました。

 一方、平和の祭典たるオリンピックのさなかにも、ウクライナやパレスチナ地域では終わりの見えない争いが続き、南スーダンでは、度重なる内戦からいまなお武力衝突が続いています。

 パリオリンピックが始まって間もなくの頃の私は、日本人選手の順位や獲得メダルの個数などの情報を受容するばかりの日々で、オリンピック以外のニュースがほとんど記憶にないほどの状態になっていたように思います。

 そんな中で、戦争や内線状態などの国・地域から出場している選手の方々に目を向けると、母国の家族のことを切実に思い、また母国の行く末を心配し、平和のために少しでも力になりたいと願いながら戦う姿がありました。

 その姿から、平和の祭典の中でも、現実として様々な場所で争いが続いていることを忘れてはいけないと再認識し、また、目の前で提供される情報がすべてではなく、自ら考えることをやめてはいけないと痛感しました。

 

―8月6日、8月9日、8月15日

 8月はとりわけ、日本でも戦争について考えるきっかけが多い時期だと思います。

 それでも、テレビやインターネット、SNSに溢れる様々な情報から、それぞれの人が自ら関心のあるものを選び、受容するとき、どれほどの人が戦争についての情報に目を向けたかと考えると、過去の過ちが忘れられていくのではないかという怖さを覚えます。

 

 

 兵庫県宝塚市の手塚治虫記念館前に立つ火の鳥のモニュメントの裏側にある小さな銘板に「平和を託す」と刻まれています。

 私が幼いころ、祖母は度々、戦時中の実体験を話してくれました。その頃は幼かったので何気なく聞いていましたが、何度も聞かせてくれたおかげで、今でもその話の内容はよく覚えています。

 私たちは、そのようにして語られたり、書物等で目にした内容を記憶にとどめ、そこから戦争の愚かさと平和の尊さについて自ら考え、伝えていくべき存在、つまり、「平和を託された」存在。

 辛い過去に自ら目を向けることは、避けたくなるけれど、それでも目をそらしてはいけない。

 過去の過ちを繰り返さないために、そして今も争いが続いて苦しむ人がいる現実を忘れないために…。

 

 そんな思いが頭を巡った、2024年8月15日でした。                                

 

 事務局S

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